USMLE(アメリカ医師国家試験)の勉強計画を立てる

USMLEはアメリカの医師国家試験。日本人がアメリカで臨床行為を行う上では、USMLEを受ける必要があるが、単に合格すれば良いわけではない。競争の激しいアメリカで日本人がマッチング枠を獲得するには、なるべく高得点を取得する必要がある。
まだ受験していない身ではあるが、色んなサイトに散りばめられている情報から、「アメリカへの臨床留学を決めている医学生」にとっての最適な勉強計画を考えてみた。

1. USMLEの概要

USMLEは大きく次のステップから成る。

  • Step 1: 基礎医学の試験(解剖学、生理学、生化学、病理学、薬理学、行動科学、微生物学など)
  • Step 2 CK(Clinical Knowledge):基礎臨床医学ー臨床知識の試験(内科、外科、、産婦人科、小児科、精神科、疫学、予防医学など)
  • Step 2 CS(Clinical Skills):基礎臨床医学ー臨床技能の試験
  • Step 3:総合的な医療知識と実践に関する試験

「USMLEとは」については、この辺りのサイトを参照すると良さそう。
USMLEとは何?
https://www.usmle.org/
Step 1は、基礎医学を修了したタイミングから受験可能となる。
Step 2は、医学部卒業1年前(6年生)から受験資格あり。
Step 2まで通過すれば、ECFMGのライセンス(仮の医師免許)を取得し、短期臨床留学の権利を獲得する。
なお、スコアは7年間のみ有効であり、一度とったスコアは消えない。

2. 受験計画のポイント

あくまで私は受験していない身のため、参考まで。

  • 働き出したら勉強時間が十分に取れない可能性があること、初期研修中は目の前の業務に専念したくなるであろうと想像されることから、Step 1とStep 2 CKは学生のうちに取得しておくべき。他の多くのサイトでも推奨されている。
  • Step 1は、5年の夏〜秋に受験する。
    • 4年次後期のCBTで基礎医学を一通り総復習をしているはずであり、その知識を受けて英語に切り替えることで、スタートラインを上げることが可能。かつ基礎医学の知識が残っている少しでも早い時期に受けるべきとなると、5年の夏休みが最適。
    • Step 1の点数が一番で大事あるが、5年生が一番学業的に落ち着いており、時間を集中的にかけることが可能。
  • Step 2 CKは、6年の夏休みに受験する。
    • 国試の内容と被る部分があるため、後々の国試対策として有用である。また国試前の1つのマイルストーンとなり、勉強に継続的に打ち込めることになる。
    • 国試後に受験を回すのは、いずれかが疎かになる可能性があり、リスクが高い。
    • 6年次春にある臨床実習で多くの大学が海外留学を推しており、留学後勉強のモチベーションがあがっているはずである。
  • Step 2 CSは、初期研修1年目半ばに受験する。
    • 日本での臨床現場に多少慣れた上で受験が可能。日本での臨床現場での学びとUSMLEの内容を相補的に活用することができる。
    • 初期研修修了までにアメリカのポジション探しができ、無職の期間を最小化できる。
  • Step 1の点数が一番大事。平均は220〜230点のため、競争の激しいアメリカでは、なるべく高得点(少なくともアメリカ人の平均以上)をとっていないと、希望する病院とマッチングできない。日本人であれば240点以上はとっておくべきらしい。以下の図が参考になった。

3. Step 1の勉強(修正中)

教材名 種類 利用者コメント 優先度 想定時間 *1
First Aid for the USMLE STEP1 教科書  Bible。覚えるべき情報のほぼ全てが載っている参考書。問題集を解きながら、重要な情報がでたときにFAに書き込んでいく方式が定番。 1  –
First Aid Q&A for the USMLE STEP1 問題集 全員がやる。約1000問 1  150h
USMLE World Question Bank 問題集 問題集。アメリカの医学生全員がやるもの。2周するべき。質問と説明のクオリティが高い。約2400問 1 400h
USMLE Rx 問題集 約3000問、FAと同じ会社でFAに対応。問題やや易しめ。 2 500h
Kaplan Qbank 問題集 更に演習したいときに利用する。USLME Worldに比べるとやや質は劣る。約2300問 2 400h
NBME(National Board of Medical Examiners) 模擬試験 50問×4ブロック。本番に近い模擬試験。 1
UWSA (UWorld self Assessment)  模擬試験 40問×4ブロック。信憑性の高いスコア。NBMEよりはやや高く出る模様。 2
BRS Behavioral science 専門書+問題 演習問題が豊富。約700題。日本で系統的に習わない科目。 1
BRS Biochemistry 専門書+問題 約300問
Pathoma 専門書 病理学
Robbins Review 問題集 病理学問題集。とっつきやすいため、3年時にこれから始めるのがおすすめ。 3
Step 1 secrets
KAPLAN MEDICALのUSMLE対策コース
Fire Cracker 暗記アプリ 勉強アプリ。オンライン暗記システム教材。高得点を狙うのに人気。 2
Goljan Audio  病理学。

*1 問題集は1問に10分かける想定で算出。

4. Step 2 CKの勉強(修正中)

教材 コメント 時期
USLME World question bank Step 2 CK 全員がやる。
First Aid Step2
Master the boards step 2

5. Step 2 CSの勉強(修正中)

教材 コメント 時期
USMLE world question bank step2 CK

6. USMLE対策の他にやっておくべきこと

  • 出来るだけ多く米国の病院で臨床実習(Externship)を行う
  • 米国人医師に、出来るだけ良い推薦状を書いてもらう(マッチングの時にプログラムに直接電話してもらうことになる)
  • 英会話の能力を高める

こちらの内容が参考になった。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA