医学部編入後の生活(1年目)

社会人を辞めて今年の春に医学部2年次に編入した。医学部の生活は噂に聞く通り忙しい。しかし社会人の忙しさを経験していると、やはり学生の忙しさは質の違いを感じる。

社会人の忙しさには多くのステークホルダーがあり、数万ときに数億円の大金を動かすプロジェクトの成否を左右する責任を伴っていた。そのほとんどが会社から与えられたタスクであり、自分のやりたいことと結びついていることは少ない。そして必ず成果と期限を求められる。一方、学生の忙しさは責任や締め切りが伴わない。ほとんどが自分のやりたいことからくる忙しさであり、忙しいことが全く苦にならない。

そんなこんなで今、忙しさの度合いとしては社会人時代と変わらないながらも、やりたいことに囲まれながら生活しており、改めて大学の環境のありがたさを身に沁みて感じている。編入試験受験生や医学部編入を考えている人の励みや参考になればと思い、どんな2度目の学生生活を送っているか少し紹介したい。

※そのうち医学部編入のネガティブな側面についてもまとめたいと思う。

概要

夏学期 冬学期
講義・実習 週3日×6h

  • 組織学
  • 遺伝学
  • 生理学
  • 基礎医学体験実習
週5日×8h

  • 解剖学
  • 組織学
  • 発生学
  • 生理学
  • 生化学
  • 医学英語
  • 臨床遺伝学
講義以外の勉強 週3日×3h 週5日×4h
研究 16h/週 8h/週
仕事(委託開発) 8h/週 4h/週
仕事(起業準備) 8h/週 8h/週
趣味・サークル等 8h/週 8h/週
他(交友や旅行など)

 

1.勉強

医学部では平日の日中は全て、講義や実習で埋まっている。特別なカリキュラムで夏休みや冬休みも他学部より短くなっている。

以前の大学生活では、いかに最小限の労力でGPAを最大化する成績をとるかという、コスパ至上主義的な考えで時間を割り当てていた。しかし、社会人になって大学のときにもっときちんと勉学に励めばよかったという後悔があり、2回目の学生生活では、ほぼ全ての講義に出席し、かつ好奇心をもって学びを楽しむという姿勢を維持することができている。

特に以前から医学自体に興味があり、自分の体の中で起きている事実だけあって、好奇心が維持されやすい。(工学部のときは、ライブラリなんて人為的に作られたものですぐに変わるのだから、学んで何になるのかという気持ちがあった。)

その要因として、編入同期の存在が大きい。同期も仕事をやめて医療を学ぶために編入してきたメンバーのため、出席率も試験の成績も学年の中で上位にあり、授業中も講師を質問攻めにするなど、知的好奇心の塊のような人達である。そんなメンバーと休み時間などに講義内容についてや学習方法について議論するなど、こんなに知的好奇心を刺激される環境はない。

医学部2年目ではご献体に基づく解剖実習もあった。人体が子細に至るまで相同な設計図に基づいて作られていることに驚き、神秘性を感じるほどの巧妙な作りを身をもって体感した。他の学科では決して学ぶことのできない内容であり、この経験ができただけでも医学部にきた甲斐はあったと感じる。

一方、一般入試で入ってきた学生のモチベーションには、ばらつきが大きい。全講義に出席する人の割合は2割足らずであり、最小限の労力で単位をとり進級することが目標になっている人の割合がかなり多くを占めるのではないか。

2.研究

平日の講義後は現在2つの研究室にお世話になっている。1つは臨床医学系の研究室で、ディープラーニングを活用した画像解析に取り組んでいる。もう一方は基礎医学系の研究室で、シングルセルの遺伝子発現解析に取り組んでいる。

前者の臨床医学系については、現役医師の大学院生とともに進めている。多くの臨床科でAIの臨床応用を進めようという動きがあり、阪大医学部でも多くの研究者が異口同音にAIを口にする。しかしそれを実装できる医者や医学生は少数であり、そのスキルがあるだけで医学部内では重宝される。またAIを扱える人たちでコミュニティが形成されており、活発な情報交換が行われている。先日早速、ニッチな領域を狙うことで論文として国際学会でポスター発表に選出される成果をあげることができた。

後者の基礎医学系では、ウェットからドライまで一気通貫での研究に取り組もうとしている。ウェットというのは、試験管を扱うような研究で細胞培養やシークエンスなどを含む。ドライというのは、コンピューターを用いたデータの解析である。ウェットにおいてある条件下で取得したシークンエンスデータをもとに、ドライの研究を行うが、データ量が大きくなり解析が難しくなっていることもあり、一般に役割分担がなされている。しかしせっかく大学生活5年間の時間が与えられているため、これまでやってきたことに捉われずにデータを作るところからやってみようという思いで取り組んでいる。

3.仕事

社会人から学生に戻ると、お金についても考えなければならない。私は完全に独立生計で生活すると決めていたため、奨学金や授業料免除制度を利用するのに加えて、個人事業主として仕事もしている。現在仕事としては、これまでエンジニアとして培ってきたシステム開発のスキルを用いて、アプリの機能開発やデータ分析を行なっている。ソフトウェアエンジニアは完全にポータブルスキルでありフリーランスとして働く環境も充実しているため、個人事業主化するのが比較的容易であった。

4.起業

以前からずっとやってみたかったことの1つである起業も、学生のうちが一番リスクが少ないと考え今チャレンジしている。

先日は大阪府立大のピッチイベントTech-thonや大阪startup cafeにて事業アイディアのプレゼンを行なった。現在は仲間とともに、第一弾リリースのためのプロダクトを作ることに専念している。仲間と共に社会にインパクトを与えるアイディアを考えるプロセスは大変楽しい。

5.資格取得

機械学習と関連し、統計検定の勉強を進めている。これも忙しい社会人時代には取り組めなかったが、ずっと取り組みたかったことの1つである。また3年次の海外研究留学を狙って英語の勉強も進めている。

6.趣味

これまでの趣味であるホッケーに加えて、以前から興味のあったジャズにも手を出し、練習に励んでいる。

 

ざっと書いてしまったので随時修正していきます。

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